①シンフォニーは多焦点レンズの中では非常にコントラストが良く、色合いがきれいに見えることに定評があります。白内障以外の眼の病気（緑内障や黄斑疾患など）や、多少の乱視があっても、見え方の満足度が得られやすいことが特徴です。細かい文字の読み書きや編み物などの作業をする時だけ老眼鏡を使う必要がありますが、多焦点レンズの中では比較的多くの患者様に適応しやすいレンズです。グレアはやや強めですが日常生活にはさほど支障はありません。

②シナジーは最もピントの合う範囲が広く、より手元にしっかりとピントを合わせたい方におすすめできます。レストランやバーなどの薄暗いところでも見え方が落ちにくいことも長所です。他の多焦点レンズと比べるとコントラストがやや劣り、ハローも大きめですが、なるべく手元まで眼鏡をかけずによく見たいならこのレンズが最適です。

③パンオプティクスは遠・中・近の3つの距離に焦点が合うレンズです。手元40cmあたりまで眼鏡をかけないでよく見えます。ハローグレアはありますがさほど強くはありません。コントラストもよく手元も見やすい、といったバランスが取れたタイプのレンズです。ただし小柄な体格の方だと手元40cmの距離はやや遠く感じる場合があり、注意が必要です。

④ビビティは、ピントの合う範囲はシンフォニーとほとんど同じですが、最大の特徴はハロー・グレアがないことです。そのため、多焦点レンズの中では夜間の見え方が最も自然であるといえます。遠くのものはしっかり見えて、近くは新聞の大きめの文字程度まで眼鏡をかけないでも良く見えますので、実用的なピントの範囲はしっかりとカバーされています。現在乱視用のビビティはまだ国内で使用することはできませんが、いずれ使えるようになる予定です。

⑤ファインビジョンは、遠・中・近の３つの距離に焦点が合います。手元は35cmまで見えるので、同じ三焦点レンズの仲間であるパンオプティクスよりも近くがより見やすくなっています。ハローグレアも少なく、バランスの取れたレンズです。レンズを支える脚の形状にも特徴があり、4本の脚が眼内でしっかりと固定してくれるため、レンズがずれたり傾いたりするリスクが減るように工夫されています。現在乱視用のファインビジョンはまだ国内で使用できませんが、いずれ使えるようになる予定です。